マルクス・アウレリウス・アントニヌス
マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、121年4月26日にローマで生まれ、180年3月17日または18日にウィンドボナ(現在のウィーン)で没した、ローマ帝国の第16代皇帝(在位:161年 - 180年)です。五賢帝の最後の皇帝としても知られています。
彼は哲学者としても知られ、ストア派の哲学者として『自省録』を著しました。この著作は、彼の個人的なノートや瞑想をまとめたもので、倫理的な問題、人生の意味、宇宙の性質などについて考察されています。逆境に耐え、理性と徳を重んじるストア派の思想は、彼の皇帝としての統治や個人的な生き方に大きな影響を与えました。
アントニヌスの治世は、マルコマンニ戦争をはじめとする対外戦争や、帝国内の疫病の流行など、多くの困難に見舞われました。彼はこれらの課題に毅然と立ち向かい、帝国の防衛と安定に尽力しました。哲人皇帝として知られる彼は、公正と慈悲をもって統治を行い、多くの人々に敬愛されました。
人間は自分が
何をしているのかを知らなければ
幸福になることはできない
妨げられているものは
行動への道を開く
障害は道となる
他人の過ちに腹を立てるのは無意味だ
彼らがそう行動したのは
彼らの見方では
それが正しいからだ
時間は
絶えず流れる川である
あらゆるものが
その流れの中に運ばれていく
魂は
自らをかき乱すことさえなければ
水面のように静かである
人間は
自分自身を大切にしない限り
誰の役にも立てない
未来を案じるな
もし必要ならば
同じ理性を用いて
現在の問題に立ち向かえ
耳に入ってくるものは
すべて意見であって
事実ではない
目に見えるものは
すべて一つの視点であって
真実ではない
汝の力にあらざることで
心を悩ますな
汝の力にあることを
最大限に尽くせ