川端康成
- 騙されないで人を愛そう
愛されようなんて
ずいぶん虫のいいことだ - 健全な愛は
健全な人にしか
宿らないものだよ - 忘れるにまかせるということが
結局最も美しく思い出す
ということなんだ - 死んだ時に人を悲しませないのが
人間最高の美徳さ - 夕顔の咲く頃には
また人に逢ひたくなります - 散る桜 残る桜も 散る桜
- 一人のよき友は
地上のすべての宝玉よりも
どんなに勝っていることか - 一生の間に一人の人間でも
幸福にすることが出来れば
自分の幸福なのだ - 人は人に捨てられたりなんかしない
自分が自分を
捨てることしかできない - 国境の長いトンネルを抜けると
雪国であった
夜の底が白くなった - 美しい日本の私
- 別れる男に
花の名を一つは
教えておきなさい
花は毎年必ず咲きます